藤子不二雄作品を中心とした、レトロ漫画・アニメに関しての調査・研究・ツッコミがメインです。


by fujiko-kei
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アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~

お久しぶりです。
この時期に更新するなら、F.F.F.全集の第4回配本を取り上げ『ドラえもん』第3巻の『クルパーでんぱ』改変問題について書くのが筋のような気がしますが、ここはAKY(あえて・くうき・よまない)の精神で(笑)、アニメ版『パーマン』を取り上げていこうかと思います。


さて、1967年放送のアニメ版『パーマン』ですが、本作が東京ムービーとスタジオ・ゼロの合作作品であるということは藤子ファン・アニメファンには有名な話です。
しかし再放送やビデオ化の機会に恵まれず、放映リストさえ公式に完全なものは発表されていないのが現状です。
ただえさえ国内での視聴のチャンスが全くないということですが、今回は輸出用のポルトガル語版を元に、東京ムービー制作回とスタジオ・ゼロ制作回の特徴を調べていこうと思います。

本作の制作会社を判断する大きな特徴としてサブタイトル表示画面に着目しました。
まず始めにご説明しますが…『パーマン』のサブタイトル画面は特徴が大きく2つに分けられます。


まずは、サブタイトル表示のテロップが手書きのもの(以下「手書きテロップ回」)。
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手書きテロップの中でも比較的初期のものはレタリングが凝っていますが(左画像)、中盤以降は単なるゴシック体のレタリング(中央・右画像)となっています。

また、『パーマンに手を出すなの巻』、『盗まれたパーマンの巻』、『パーマン基地計画の巻』など…サブタイトルに「パーマン」が含まれている場合は、右画像のように「パーマン」の文字のみロゴマークのレタリングになるという特徴があります。

対して、テロップが手書きではなく、写植を焼き込んだもの(以下「写植テロップ回」)。
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写植テロップ回は全話に渡って同じフォントを使用。
こちらはサブタイトルに「パーマン」が含まれていてもロゴマークにはなっていません。

この2種類のサブタイトル画面が何を意味しているのかといいますと…。
やはり制作会社の違いによるもの…すなわち、「手書きテロップ回」と「写植テロップ回」のどちらかが東京ムービー制作回、どちらかがスタジオ・ゼロ制作回なのだと推測されます。


■推測1
モノクロ版『パーマン』数十本分を視聴した上で気が付いた特徴としまして、番組のAパートとBパートは必ず同じパターンのテロップ画面が使用されています。

例えば、第4回('67年4月23日放送)の放送内容はAパートが『ロボット騒ぎの巻』、Bパートが『拾ったピストルの巻』なのですが、A・Bパート共に写植テロップを使用。「Aパートが手書きテロップでBパートが写植テロップ」…といった事例は無かったようです。
1回分(=15分×2話)の制作は同じ制作会社で行うのが基本であったと思いますので、AパートとBパートで制作会社が異なることは無いはずです。
…ということはこの点においても、テロップの違いが制作会社の違いであるという説を支持することが出来るのではないでしょうか…?


■推測2
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藤子ファンサークル『ネオ・ユートピア』会誌22号によりますと、第54回(最終回)『パー子という名の女の子の巻』と『パーマンよいつまでもの巻』はスタジオ・ゼロの制作と確定しています。

この2話にはどちらも写植テロップが使用されていることから、写植テロップ回がスタジオ・ゼロ制作である、という可能性が高いと思われます。


推測3
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『パーマン』唯一のビデオソフト化として、LD・ビデオ『東京ムービー アニメ主題歌大全集』第1巻があります。
このビデオには『パーマン』のオープニング&エンディングが収録されていますが、そのエンディング(「制作 東京ムービー」のクレジットから東京ムービー制作回のエンディングと思われます)では手書きテロップが使用されています(左画像)。
一方、最終回(スタジオ・ゼロ制作回)のエンディングのテロップは写植テロップ(右画像)。

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続いて、東京ムービーと手書きテロップの関係についてのお話になりますが、東京ムービーにて『パーマン』と比較的近い時期に制作された作品(『ビッグX』や『巨人の星』、『珍豪ムチャ兵衛』など)を見てみると、オープニング&エンディングやサブタイトル表示画面には全て手書きのテロップが使用されています(※1)。
東京ムービー作品で写植テロップが初登場したのは恐らく1971年の『ルパン三世』の主題歌と思われ(※2)、それ以前の作品のテロップは(少なくとも主題歌テロップに関しては)全て手書きとなっています。
また、'70年代に入っても東京ムービー作品はサブタイトル画面への手書きテロップ使用の傾向が強い(『天才バカボン』、『ど根性ガエル』など)ことから、それらの作品よりも古い『パーマン』のサブタイトル画面は手書きテロップであった可能性が強まります。

以上の理由から、ここでも「手書きテロップ回=東京ムービー制作」、「写植テロップ版=スタジオ・ゼロ制作」という説が成り立つのではないでしょうか…?

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※1:ただし歌詞テロップに関しては、『パーマン』の時点で既に写植テロップが使用されていた(画像参照)のを確認しています(ただし『主題歌大全集』収録のOPフィルムは画像のものとは別バージョンのため、歌詞テロップは付いていません)。
※2:『アタックNo.1』や『珍豪ムチャ兵衛』←追記:手書きテロップと確認済)あたりのサブタイトル画面は未確認ですので断言は出来ませんが…。


推測4
最後に、作画の面から双方の特徴を調べてみましょう。
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『パーマン』の前番組『オバケのQ太郎』(こちらは東京ムービー単体での制作)の映像を見ると、特に正ちゃんの顔に独特の作画のクセがあることが分かります(左画像)。
当時の東京ムービーの作画能力も関係しているのかも知れませんが、この独特の「顔のクセ」が、『パーマン』のミツ夫にもたびたび見られることがありました(中央・右画像)。この作画の特徴は(当方で確認した40数話分の中では)「手書きテロップ回」で顕著に見られました。
このことからも「手書きテロップ回=東京ムービー制作回」という可能性が成り立ちます。

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逆に「写植テロップ回」全体の作画の特徴としては、「目(特に黒目)が妙にデカい」(左画像)、「ずんぐりした顔」(中央画像のミツ夫)、「ニコニコしているパーマンの目が特徴的」(右画像)といった点が挙げられます。

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この点において、スタジオ・ゼロ制作回と確定している最終回『パー子という名の女の子の巻』、『パーマンよいつまでもの巻』では、「ギョロ目」(左画像)、「すんぐり顔」(中央画像)、「パーマンの特徴的な目」(右画像/画像ではパー子)の3要素が全て揃います。
すなわち、こちらも「写植テロップ回=スタジオ・ゼロ制作回」可能性が成り立ちました。

以上の推測により、『パーマン』において手書きテロップ回の作品は東京ムービーの制作、写植テロップ回の作品はスタジオ・ゼロの制作である可能性が非常に高い…ということが考えられるのですが、如何でしょうか…?

ただ、気になる点として、サブタイトル文字の違いで制作会社を判断すると、放送順が東京ムービー制作分とスタジオ・ゼロ制作分が完全に交互にならないことが挙げられます(例:第20回と第21回はいずれも写植テロップ→スタジオ・ゼロ制作?)。『Neo Utopia 41』曰く、次作『怪物くん』は完全に毎回交互に放送されていた(らしい)ということですが、それとは対照的です。


最後に、現在判明している分の各回のテロップを掲載しておきます。ご参考までにどうぞ。
詳しい放送内容は『1967年のパーマン』様のリストをご覧ください。
手書きテロップ回(東京ムービー制作?)
第3回、第19回、第22回、第25回、第28回、第29回、第32回、第35回、第47回、第50回

写植テロップ回(スタジオ・ゼロ制作?)
第4回、第7回、第14回、第15回、第20回、第21回、第23回、第27回、第30回、第36回、第40回、第45回、第53回、第54回

次回は旧アニメ版『パーマン』の登場人物を深く掘り下げていこうと思います。未定
ではまた。
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by fujiko-kei | 2009-11-01 08:43 | 雑記