藤子不二雄作品を中心とした、レトロ漫画・アニメに関しての調査・研究・ツッコミがメインです。


by fujiko-kei
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幻の藤子テレビ企画

日テレ版『ドラえもん』に『ジャングル黒べえ』に特撮版『ハットリくん』etc…。
藤子不二雄作品が原作のテレビ番組には、再放送、DVD化の一切ない「幻」の作品が、かなりの数存在しています。
…が、更に知名度の少ない、電波に乗れなかった作品が、これまた多数存在していたりもします。
今回は、計画倒れとなってしまった、曰く付きの藤子系テレビ作品をまとめてみました。


Part.01 パイロットフィルム編
放送されることはなかったものの、テレビ放送に向けた試作フィルムが作られている作品たちです。

■『フータくん
・企画年:1966年頃
・制作:日本放送映画(後の東京テレビ動画→日本テレビ動画)
・声の出演:フータ/菅谷政子(?)
・放送局:日本テレビ系を予定(?)

『少年キング』に連載され当時大人気だった、安孫子先生の旅行ギャグ漫画のアニメ化。
66年頃にアニメ制作が企画され、日本放送映画によってパイロットフィルムが制作されました。パイロット版はモノクロで3話~4話分が制作されたといわれています。
その後、'67年頃からカラー作品で放送される予定だったようですが、企画は頓挫。

制作元の日本放送映画は、『戦え!オスパー』('65年)、『とびだせ!バッチリ』('66年)、『冒険少年シャダー』('67年)など、マイナーアニメの極み(失礼)ともいえる作品を制作。b0134245_9274471.jpgb0134245_9255367.jpgb0134245_926645.jpg
その後、東京テレビ動画と名前を変え、『男一匹ガキ大将』('69年) 、『赤き血のイレブン』('70年)など、熱血系作品4本を制作の後に解散。日本テレビ動画として再結成の後、'73年に『ドラえもん』を制作することになります。

パイロットフィルムは現在所在不明となっていますが、70年代に四国・中部地方で野球中継が雨で流れた際、代替番組として放送されたという話があり、少数ですが目撃情報も出ています。
内容に関しては全くといっていいほど不明ですが、フータくんの声は、このアニメ企画前後に発売されたソノシート『フータくん おさいなら!赤ちゃんの巻』で演じていた菅谷政子さん、主題歌はソノシートの『フータくんのうた(作詞:藤子不二雄、作曲:橋場清、歌:菅谷政子、野村道子)』だった可能性があります。
ソノシートは現在入手困難ですが、主題歌『フータくんのうた』自体は、2006年SOLID RECORDS発売のCD『黄色い手袋X~幻の漫画ソノシート主題歌コレクション』に収録されています。

本作については『藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記』様にて詳しく紹介されています。


■『ウメ星デンカ』(アニメ第2作)
・企画:1993年
・制作:シンエイ動画
・演出:やすみ哲夫
・作画監督:堤規至

『ウメ星デンカ』のアニメといえば、'69年のモノクロアニメ、また'94年公開の劇場版『ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!』(『のび太と夢幻三剣士』と併映)の2シリーズが知られています。
しかし映画公開の1年前、1993年頃に再テレビ化に向けた話が出ていたそうで、パイロットフィルムが制作されていました。この時期には『21エモン』も放映されていましたので、その後番組として繋ぐ予定だった可能性もあります。

翌年には殆ど同スタッフで劇場版が公開されたわけですが、「映画版=パイロット版そのもの」というわけではないようです。


■『ミラ・クル・ワン
・企画:1995年
・制作:シンエイ動画
・企画/監督:米たにヨシトモ

原作は、1979年の『コロコロコミック』に5回だけ掲載された作品。大長編『のび太の恐竜』連載の都合のため(『ミラ・クル・1』最終回の次の号からは、『のび太の恐竜』が連載開始されています)短期での終了となってしまいました。
アニメ化は初出から約15年の経った1995年頃に企画。パイロット版では、内容が現代風にアレンジされていて、監督・米たにヨシトモ氏によると、別作品『T・Pぼん』の要素も混ぜていたとのこと。
原作のタイトルは『ミラ・クル・1』ですが、こちらはカタカナで「ワン」となっています。

シンエイ動画では、この時期に『バウバウ大臣』、『すすめロボケット』の企画も出ていたそうですが未制作。この2作に関しては、書籍・ネット上でも情報が全く見つからないため、ここでの掲載は断念しました。『すすめロボケット』はかなり古い作品ですので、アニメ化では、きっと斬新なものになっていたと思います。


■『プリンス・デモキン』制作
・企画:1996年
・制作:シンエイ動画
・声の出演:内海賢司、緒方賢一

学研の『トップラーン』という雑誌に掲載されていた作品。
『トップラーン』は契約者だけの販売で店頭売りは無し、ということで、購読層とその親以外の一般人には、限りなく知名度の薄い雑誌でした。ということで、『プリンス・デモキン』自体も一般層では「知る人そ知る」作品となっています。
アニメ版は'96年頃に企画され、パイロットフィルムが制作されました。
本作に関しては、原作・パイロット版共に予備知識が全くありませんので、書けることはこの程度です。


Part.02 未制作作品編
残念ながら実制作されることがなく、本当に「幻」のままで終わってしまった作品です。

■『ドラえもん』(アニメorドラマ)
・企画:1972年頃
・制作:ピー・プロダクション(未制作)
・声の出演:大山のぶ代(予定)
・放送局:フジテレビ(予定)

テレビ朝日版でも日本テレビ版でもない「フジテレビ版『ドラえもん』」の存在をご存じでしょうか?
1972年頃に企画が出た模様で、制作は、国産TVアニメ第6弾『0戦はやと』や、日本初のカラー特撮『マグマ大使』、『快傑ライオン丸』、『スペクトルマン(宇宙猿人ゴリ)』などを製作した、うしおそうじ社長率いるピー・プロダクション。
当初はアニメ/実写の双方で企画されていたらしく、その企画書が残っていますが、後に実写へと企画が転向されました。うしおそうじ氏は藤子先生ともかなりお話を進められていたそうで、着ぐるみの原型が制作されるまでに至っていたとのこと。

ピー・プロダクションといえば、『クラブくんの冒険』、『宇宙船レッドシャーク』、『豹マン(ジャガーマン)』、『豹マン(ひょうマン)』…などなど、未放映パイロットフィルムの宝庫として、アニメファン、特撮ファンの間で知られていますが、本作は企画だけで終了してしまいました。b0134245_18215916.jpgb0134245_1822990.jpg
以下、当時の企画書の一部をご紹介します。
―ただ問題はキャラクターが決め手になる。
或る日、のび太くん(小学生二年生位)の机の抽出しから、突然可笑しなドラねこが出現した。これこそ未来の国(宇宙)からやって来た宇宙ロボットである。やがて、のび太くん一家の家族の一員となって人間社会の生活の中で、日常まき起す面白い事件がこの物語の構成。
そして、ここに登場する「ドラえもん」こそ、キャラクター・ネーミング共に抜群の主人公である。
うしおそうじ氏は、ピープロでの『ドラ』の制作にかなり乗り気だったことが伺えます。「宇宙からやって来た宇宙ロボット」という表現も興味深いですね…。

実写版ドラの声には、以前ピープロのアニメ『ハリスの旋風』で、主役・石田国松の役で出演されていた大山のぶ代さんが候補として挙がっており、実現していれば、大山さんが「初代ドラえもん」となっていました。b0134245_10275138.jpgb0134245_102848.jpg

うしおそうじ氏直筆の企画書は以前このサイトで販売されていましたが、つい最近Yahoo!オークションに出品されていました(開始価格55000円/即決価格65000円→落札されず)。


■『チンタラ神ちゃん』(ドラマ)
・企画:1967年頃
・制作:東映(未制作)
・企画:平山亨

'60~'70年代の藤子作品中でもマイナー作品に分類され、管理人を含めて、読んだことのない人々にとっては「単行本がバカ高い」という印象しかない『チンタラ神ちゃん』。
そんな作品も、なんとTV化が企画されたことがありました。

企画は'67年頃に東映で出ていたようで、実現すれば『忍者ハットリくん』、『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』に続いて、東映の藤子ドラマ第3作になっていました。
これは、当時東映のプロデューサーだった平山亨(八手三郎)さんが、当時の漫画の中からかたっぱしに企画書を作ったものの一つだそうで、企画が藤子先生に伝わるまでには至らなかったとのこと。つまり選考段階でボツになったということですね…。


以上で「幻」の藤子TVに関しての解説を終わります。
これら幻の作品(特に『フータくん』)のメディア化を望みたいと思います。。

では次回。

参考:Wikipedia、『NEO UTOPIA』会誌、2ちゃんねる掲示板 他
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by fujiko-kei | 2008-10-20 20:11 | 雑記