藤子不二雄作品を中心とした、レトロ漫画・アニメに関しての調査・研究・ツッコミがメインです。


by fujiko-kei
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大阪府立国際児童文学館に行ってきた

昨日は試験休みでしたので、大阪の万博公園にある府立国際児童文学館に行ってきました。
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当日の朝に突然思い立ちましたので、急いで『藤子不二雄atRANDOM』さんのアーカイブ、『藤子不二雄GALLERY』さん、Wikipediaなどのデータを参考に、児童文学館の所蔵リストを見比べて、どの雑誌を見るべきなのかという見当を付けます。

児童文学館は、大阪モノレールの公園東口駅で下車して徒歩6、7分程。万博会場の隅っこの方に位置しています。b0134245_2041421.jpgb0134245_20415361.jpg
近くには、かつてEXPO'70で活躍した万国博ホールと国立国際美術館(万国博美術館)があったのですが、どちらも2004年に姿を消してしまいました。現在は、案内板に文字の跡が残るのみとなっています。

館内に入ると、ショーケースの中に『赤い鳥』などの、昔の児童文学書や絵本が展示してありました。平日だったこともあってか、館内はガラガラ状態。
貴重書や昔の雑誌などを見るための閲覧室は2階にあるのですが、閲覧室内の開架棚には絵本や最近のライトノベル文庫が大半を占め、意外とこぢんまりした印象でした。ここで子供たちへの読み聞かせなども行っているそうです。

手回り品をロッカーに預けた後、カウンターで仮カードを受け取り、資料を検索し、カード番号を入力して請求(1回15冊まで)。東京の国立国会図書館もこんな感じのシステムなのでしょうか?
国会図書館は18歳以上でなければ資料の利用ができませんが、児童文学館閲覧室の利用は、中学生以上なら誰でも可能(1階・こども室は完全に年齢制限なし)。

自分が閲覧したものはこれだけです。
■『COM』(『わが分裂の花咲ける時』掲載号)
■少女クラブ付録『バラとゆびわ』
■『週刊少年キング』(『フータくん』ナンデモ会社編掲載号の一部)
■『漫画少年』
■『小学一年生』(ドラえもん『クルパーでんぱの巻』掲載号)
■『小学四年生』(『スターたん生』掲載号)
■手塚治虫『前世紀』宇宙編
■藤子不二雄ランド各種
■『コロコロコミック』創刊号
閲覧室には3時間半ほどいたのですが、読みふけっているうちに時間が経っていたので、冊数的にはあまり読むことができませんでした。
資料複写の最終請求が16:00だったのですが、気付けば5分前…。


『わが分裂の花咲ける時』
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この作品のコピーが今回の最大目的でした。
ストーリー的には「よく分からない」の一言に尽きるのですが、他のブラックユーモア作品とは一味違った、作品全体の「詩的」な印象と、パラノイア(精神分裂病)による主人公の狂いっぷりがとても魅力的でした。雰囲気としては『マグリットの石』と似ています。


『バラとゆびわ』
童話を原作に藤子先生が描いた、『少女クラブ』昭和30年お正月増刊号の付録本です。
現在では数十万円は下らないものですが、あまりにも「普通」に閲覧できたので拍子抜けしてしまいました。見た目は普通の付録本にしか見えないのですが、あれが藤子漫画でもトップクラスのプレミアものとは…。
全頁が再録されている『まんだらけ19』(トキワ荘大特集号)は持っているのですが、実物で見ると雰囲気が全然違いました。ちゃんとした形でも復刻されていたような気がしていましたが、よく考えると『ユリシーズ』と混同していました。


『フータくん』ナンデモ会社編
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単行本に完全未収録となっている、第3部『ナンデモ会社編』(『社長編』)掲載号をいくつか読んできました。'60年代の『少年キング』はいくつか欠号がありましたが、『ナンデモ会社編』第1回と最終回掲載号('66年30号/'67年21号)は所蔵があります。

第1部『百万円貯金旅行編』、第2部『日本の旅編』と比べると、旅をしているシーンが少ないのが少し不満でしたが、「金儲け」という基本スタイルは変わっておらず、楽しく読むことができます。
豆情報ですが、'66年7月21日には藤子スタジオと少年キング合同で「フータくん再開記念ボーリング大会」が開催されたそうで、「先生は、すばらしいフォームで大かつやくをしました」とのこと。

最終回『フータくん、どこへいくの巻』は全然最終回らしくないな…と思っていると、ラスト1頁半での急展開に呆気にとられました。最終回ではフータくんの生い立ちが明かされる…という情報を以前聞いたことがありましたが、実際にそんなシーンはありませんでした。別の回なのでしょうか?
次の次の号からは『怪物くん』が開始。


『漫画少年』
復刻版は古本市でパラパラと読んだことがありましたが、本物は初めて手にしました。
今回は昭和30年7月号と10月号を閲覧したのですが、2冊とも非常に状態が良かったのが驚き。一冊には「見本」というスタンプが押してあり、出版当時のサンプル版だったのかな…と想像させられます。
7月号と10月号には、藤子F(?)先生の初期作品『光にあたれ陽にあたれ』や、新漫画党の競作『月特集』でのA(?)先生の『まんが剣豪伝 月にとぶ雁』、『新漫画党 漫画図鑑』などが掲載されていました。投稿コーナーも「採用されない作品の見本」まで載っていて、編集部の力の入れ方がよく分かります。
児童文学館には全部で16冊の『漫画少年』が所蔵。


ドラえもん『クルパーでんぱの巻』
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『分かいドライバー』と共に、カルトなドラファンには言わずと知れた有名作品。貴重な「ガチャ子」登場エピソードのひとつです。
ガチャ子曰く「あたまもからだもよわくなるでんぱ」による作品全体の狂いっぷりには、8頁の短めの作品であるにも関わらず、読み進めていくごとに、ことごとく笑わされます。また「クルパーでんぱ」は、日テレ版ドラの第1話で「クルクルパー光線銃」としてアニメ登場も果たしています。
作品自体はカラー原稿だったのですが、コピー代金が惜しいので(白黒30円、カラー150円/枚)やむなく白黒でしてもらいました。


『スターたん生』
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'75年度『小学四年生』の名物企画『ドラとバケルともうひとつ』の中でも、ひときわ異彩を放っているのがこれ。
『ドラとバケルともうひとつ』の「ドラ」の部分、『ジ~ンと感動する話』(初出時:『ジーンマイクの巻』)は、元々「もうひとつ」の企画『スターたん生』に話をもっていく為のエピソードでした。
そのため、ラストのストーリーが単行本と大きく異なっていたり(初出では、のび太がテレビ番組にスカウトされます)、公園ロケに来ていたのが「西条ひろみ」ではなく「桃口山枝」で全く別人だったりと、コミック版と見比べてみると面白いです。
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『ジ~ンと感動する話』初出時にはこんな誤植も。


藤子不二雄ランド
F.F.ランドは、飛び飛びでしたが大体のタイトルは所蔵されていたと思います。
閲覧したのは
■『ジャングル黒べえ』
■『新編集オバケのQ太郎』第12巻(もちろん『国際オバケ連合』目当て)
■『新編集パーマン』第1巻と第12巻
■『UTOPIA最後の世界大戦』
の5冊。すべて新本同様の状態・読者ハガキ付きで出てきて、ボロボロF.F.ランドばかり見ている身としては、逆に気持ち悪い光景でした…(笑)
『海の王子』、『宙犬トッピ』も読みたかったのですが、時間の関係で断念。

『ジャングル黒べえ』は、てんコミ『バケルくん』併録の作品以外は初読。「原稿紛失→印刷物から復刻」の作品が多かったのが気になります。

『パーマン』は「マスク違い版」第1話と、パーマン5号登場仕様の最終話『バード星への道』だけは読んだのですが、時間の都合で他のところまで手が回らなかったことが後悔されます。
F.F.ランドの『バード星への道』は「てんコミ版+ところどころにパー坊が登場」といった仕様で、それ以外での描き換えは特になかったと思います。この話、明らかにてんコミ版発行時に描き足しが行われていますので、それ以前の虫コミ(orホームコミックス)仕様も一度読んでみたいものです。

VOL.301『UTOPIA最後の世界大戦』は、巻末に『タカモリが走る』と『チンプイ』両方が収録されている都合でやたら分厚かったり、読者ハガキの投函期限が「昭和65年」になっていたのが印象に残りました。『21エモン』に出てきた「0の空間」の元ネタは『UTOPIA』だったんですね。


『コロコロコミック』創刊号
ドラが歌っている表紙が印象的な『コロコロ』創刊号。
藤子関係では『ドラえもん』が18話、『みきおとミキオ』が7話、『バケルくん』が3話、『ドラえもん百科』と『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』が掲載されていて、これだけで創刊号の全518頁中、372頁を占めていました(一部広告もありますが)。
ちなみに、記念すべき『コロコロコミック』創刊号の巻頭を飾った作品は『のび太放送協会』(笑)


以上で国際児童文学館レポを終了します。
今回、あまり長い時間いることができませんでしたが、かなり楽しむことができました。
ここに所蔵されていた『T・Pぼん』未収録2話掲載の『コミックトム』を読み忘れたことが心残りですが…。また冬休みか春休みに行ってみたいと思います。
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by fujiko-kei | 2008-12-05 20:41 | 雑記