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藤子不二雄作品を中心とした、レトロ漫画・アニメに関しての調査・研究・ツッコミがメインです。


by fujiko-kei
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皆さん、明けましておめでとうございます!
と…言いつつ、もう17日なのですが…。

自分は来年が受験ということで多忙になっていますので、約1年程この放置状態が続くと思いますが、ご了承ください。
企画の記事はチビチビ作っていますので、完成次第、順次公開していきたいと思います。

決して飽きたわけでも藤子ファン辞めたわけでもないですよ…(笑)

ではまた。
# by fujiko-kei | 2010-01-17 19:03 | お知らせ

藤子アニメ「共演」史

さて、年末となりました…。
今回は藤子アニメから、別作品のキャラクター同士での共演シーンを集めてみました。

■『オバケのQ太郎藤子アニメ「共演」史_b0134245_80516.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_801428.jpg
当ブログでも幾度となく取り上げてきましたが、藤子アニメで最古と思われる他作キャラクター同士の「共演」は、モノクロ版『オバケのQ太郎』第83回(全国ネット放送の最終回)『Qちゃんパーマン大かつやくの巻』('67年3月26日放送)でのQちゃん&正ちゃんとパーマンの共演と思われます。

密輸団を追うものの捕らわれてしまったQちゃん&正ちゃんを助けるため、パーマンがやって来ます。富士山をバックにパーマンが飛んでくる姿が非常に格好いい…(!)
密輸団を捕らえた後、パーマンの言った台詞は「この番組の主人公だよ」というもの。実はパーマンは間違えて1週間早く登場してしまったのでした。
…ということで、翌週から開始された『パーマン』の番宣のための共演でした。

どうでもいいですが、次作『パーマン』において、須羽家のテレビにはかなりの高確率でオバQが映っています。藤子アニメ「共演」史_b0134245_826734.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_8261698.jpg
このあたりが、Aプロ(東京ムービー)名物「作画お遊び」の始祖なのでしょうか…?



■『ドラ・Q・パーマン藤子アニメ「共演」史_b0134245_7342128.jpg
'80年4月8日『春だ一番ドラえもん祭り』で放送された作品。
ドラ&Qちゃん&パーマンが一緒にキャンプをするという異色のストーリーで、Qちゃん&パーマンはモノクロ『オバQ』最終話以来、約13年ぶりの再会となりました。

シンエイ版『オバQ』、『パーマン』はまだ放送されていませんので、パーマンは何故か黒いマスクを被っていたり、Qちゃんはどことなく『新オバQ』ティストで声も堀絢子さんだったりと、再アニメ化での設定とは異なっています。登場時のBGMも旧作のものが使われていたそうです。藤子アニメ「共演」史_b0134245_7345641.jpg
しのだひでお先生の漫画版が『熱血!!コロコロ伝説』で復刻されたのは記憶に新しいですが、当時のアニメ誌に掲載されたアニメ版のスチールと比べてみると、ストーリーは原作と少し異なっているようです。
この作品ですが、何よりものび太&正ちゃん&ミツ夫(のコピーロボット)の共演が国宝級に貴重でしょう…(笑)何気ににOちゃんがいるあたりも素晴らしいですが…。

画像のスチールは、実際に使用したセルを使っているのか雑誌掲載用に描き起こしたものなのか不明です。



■『怪物くん藤子アニメ「共演」史_b0134245_7304863.jpg
詳細はよく判らなかったのですが、シンエイ版『怪物くん』放映開始前後('80年秋頃?)の特番か何か(ドラのSP?)で怪物くん&ドラの共演があったそうです。
当時の『アニメージュ』にドラ&のび太が怪物屋敷で食事しているスチールが掲載されていました。



■『忍者ハットリくん+パーマン 超能力ウォーズ
■『忍者ハットリくん+パーマン 忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵
藤子アニメ「共演」史_b0134245_8193284.jpg
'84年/'85年の劇場版『ドラえもん』の併映作品。ハットリくん&パーマンが1作目は超能力研究家、2作目は謎の卵(植物宇宙人)と戦います。
作品はあくまでハットリくんが主役でパーマンは「プラス」されている形ですので、両作ともパーマンの大活躍は控えめとなっています。
両作とも原作漫画は安孫子先生1人で描かれていますので(TC版『ハットリくん』第13巻収録)、貴重な「安孫子版パーマン」を見ることができます。

藤子アニメ「共演」史_b0134245_91494.jpg
これらの作品でハットリくんと共演した藤子キャラはパーマンだけかと思いきや、『忍者怪獣ジッポウVSミラクル卵』オープニング、ハットリくん達がバスに乗っているカットでは、怪物くんらしき人物との共演も果たしていました。



■『エスパー魔美藤子アニメ「共演」史_b0134245_9375317.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_9381434.jpg
第22話『ウソ×ウソ=パニック』('87年9月8日放送)より、魔美が歩いているところにのび&しず&ジャイ&スネが登場(ただし声の出演はスネ夫のみ)。ドラが空を飛んでいたりもしました。



■『ドラえもん藤子アニメ「共演」史_b0134245_81488.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_82663.jpg
画像は'89年3月3日放送『なんでも空港』より。
学校の裏山に「なんでも空港」を設置したジャイアン&スネ夫ですが、目の前に続々と藤子キャラが降りてきます。原作ではパーマン魔美+ウメ星デンカに加えてQちゃん&怪物くんが出てきましたが、アニメでは代わりに魔美パーマンが登場していました。
スネ夫の「へぇ~!日本の空には変なのが随分飛んでるんだね、ジャイアン」という台詞が素晴らしすぎます(笑)



■『ドラえもん
藤子アニメ「共演」史_b0134245_18181973.jpg
'93年12月31日放送の大晦日特番『大晦日だよ!ドラえもん』で放送されたブリッジアニメより、ドラ&のび&ドラミとウメ星デンカの競演です。
デンカは翌年公開の劇場版『ウメ星デンカ 宇宙の果てからパンパロパン!』の宣伝のための登場でした。



■『ドラえもん藤子アニメ「共演」史_b0134245_7583536.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_7584553.jpg
'98年10月11日放送『秋だ一番!ドラえもん TV&映画20周年!!スーパースペシャル!』のブリッジアニメでは、アニメドラ20周年を記念して藤子Fキャラ達が集まりました。
藤本先生や小池さんまでいる姿が微笑ましいです。

番組内で魔美とパーマン1号には台詞がありました(番組内で「よこざわけいこ」さんはドラミ役と魔美役のダブルキャスト)。
自分が『魔美』の存在を初めて知ったのはこの時でした。



その他の共演↓

■'93年9月8日に『水曜特バン!』枠で放送された特番『ドラえもん ボクの感謝の90分! 夢の四次元バラエティー』は、アニメドラ放送15周年を記念したものでした。
ブリッジアニメでは、ドラが様々な藤子Fキャラに祝福される…というものだったそうです。

■'03年/'04年に『パーマン』が映画化されていますが、その頃の『ドラえもん』のテレビスペシャルにパーマンが何度か登場、競演を果たしています。

■「競演」とは少し違いますが、『ドラえもん』'82年11月5日放送の『ニンニン修業セット』では、原作通りに『忍者ハットリくん』のコミックが登場。藤子アニメ「共演」史_b0134245_17581228.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_17582416.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_17583193.jpg
作中では「あ~っ!『忍者ハットリくん』じゃないか~っ!
ハットリくんみたいに忍術が使えたら、すっごく楽しいだろうな~
…というのび太の台詞もあり、本を読んでいる時のBGMには『ハットリくん』のものが使用されています。
ドラやのび太が読んでいる漫画がさりげなく『オバQ』や『エスパー魔美』だったりすることはありますが、他作品がここまで堂々と登場するのも珍しいのではないでしょうか…?

■'72年公開のアニメ映画『パンダコパンダ』では、群衆のシーンにQちゃんが登場します。藤子アニメ「共演」史_b0134245_19343619.jpg藤子アニメ「共演」史_b0134245_19372844.jpg
これも「Aプロのお遊び」の1つですが、群衆の中には『ルパン三世』のルパン&次元、『ど根性ガエル』のヒロシ&京子ちゃんも登場しています。これも広い意味での「共演」と言えるのではないでしょうか…?



後日加筆予定…。
# by fujiko-kei | 2009-12-24 21:36 | 雑記
◆Part.01:『ドラえもん』未ソフト化オープニング&エンディング考

『ドラえもん』帯番組時代1年目の放送を全話収めた『ドラえもん タイムマシンBOX 1979』が発売されました。勿論自分は買っていません(3万なんてムリです)。
DVDが買えれば色々なレビューを書きたいところですが、このままでは悔しいので、代わりに今回はDVD発売まで「幻の映像」だったこれらの主題歌をご紹介します。
(…というより、これくらいしかDVD発売に関連して書ける記事がない)


まず、今回『タイムマシンBOX』の発売で注目されていた点の1つとして、帯番組版オープニング日曜放送版の初代エンディング青い空はポケットさ』(これまで未ソフト化)が収録されるかどうか、ということがありました。
アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23195582.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_2320667.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23201560.jpg
帯番組版初代オープニング『ドラえもんのうた』

帯番組版オープニングは『ドラえもんのうた』版(初代)と『ぼくドラえもん』版(2代目)の2種類があるのですが、共通した特徴として、スタッフ等のクレジットもオープニング中に全て表示されている点(帯番組版にはエンディングが存在しなかったため)、前者の特徴として、時間の都合のためか「アンアンアン―」が1回で終わる点が挙げられます。

帯番組版オープニングはこれまでに発売された映像ソフトには未ソフト化でしたが、『ドラえ本』にスチールが掲載されたり、『ドラえもんのうた』版が本放送素材らしき映像がテレ朝アニメ特番で放送されたり、『ぼくドラえもん』版は'06年にYahoo!で行われた『大人のためのドラえもん特集』で配信されたりと、本放送以来全く露出がなかったというわけではありません。

『大人のための―』では歴代オープニングのノンテロップ版が配信されていましたが、帯番組初代オープニングのみ「原版紛失」を理由に公開が行われませんでした。
よく考えてみますと、『ドラえ本』掲載のスチールも、帯番組版初代オープニングのみテロップ入りのものが載っていましたので、永らくノンテロップ版は所在不明だったのでしょう(プリントを起こすのやテレシネが面倒だっただけなのかもしれませんが)。

しかし、今回のDVD収録のオープニングは、2種類共にノンテロップ版なのだそうです。
あれ…?原版あるじゃないすか…。

アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23311398.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23313272.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23314472.jpg
帯番組版2代目オープニング『ぼくドラえもん』(ノンテロップ版)

帯番組版オープニングは初代・2代目共にテロップが入ることを意識した画面構成となっていますので、テロップがないと上画像のように画面がガラ空きとなり、拍子抜けしてしまいます。
この点が今回の『タイムマシンBOX』の残念なところだったのではないでしょうか。

また、帯番組版初代や日曜放送版(風船で飛行するもの)、金曜版初代(のび&ドラがタケコプターで飛行)のオープニングでは、終盤の「制作 テレビ朝日 旭通信社 シンエイ動画」のテロップが入るところでオレンジ画面や赤画面になります。
ですが、ノンテロップ映像には当然テロップがありませんので、オープニングの終盤は何も表示されないオレンジ(赤)画面の映像となってしまいます。日曜放送版に至っては赤画面が10秒近く続くことになりますので、実に不気味です(笑)
アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_8283660.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_12382749.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_12393757.jpg
↑テロップ入り(左、中央)、ノンテロップ版(右)


帯番組版オープニングの次に収録が期待されていた、日曜放送版の初代エンディング『青い空はポケットさ』は、残念ながら今回も未収録。
DVDの主旨が「帯番組版を全話収録」であると考えますと、日曜放送版のオープニング&エンディングは不要ということになります…が、折角ですから収録していただきたかったところです。
日曜放送版は当然ながらオープニングも未収録でした(こちらは既発のビデオ等に収録されていますが)。
アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23342056.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23453189.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_23454669.jpg
日曜放送版初代エンディング『青い空はポケットさ』(ノンテロップ版)

青い空はポケットさ』のエンディングがソフト化されない原因として「ノンテロップ版フィルム紛失のため」…という噂がありますが、『ドラえもん』のビデオやDVDの主題歌は基本的にノンテロップ版フィルムを元に収録するという方針のようですので、ノンテロップ版紛失の噂が事実であれば今後の収録もやはり難しいかもしれません。さすがに放送時のテロップ入りのものは残っていると思いますが…。

画像は現存が怪しいノンテロップ版の映像(海外放送されたもの)ですが、吹き出しの中にテロップが入るという、テロップ合成を前提とした構成ですので、ノンテロップ版がDVD化されても楽しみが半減してしまいます。

ちなみに、以前発売のビデオに収録されていた主題歌映像の大部分も本放送素材とは異なり、ノンテロップ映像にビデオ用テロップを合成して新たに制作されたものです(後述)。


Part.02:『ドラえもん』テロップ考

次に、『ドラえもん』主題歌映像の本放映版とビデオ版の比較を行います。
以下の記事は以前作りかけたたまま放置していたものなのですが、いい機会ですので今回合わせてご紹介します。

帯番組版以降、『ドラえもん』は基本的に2話(初期は3話)を1回分として放送されています。
ビデオ化の際には「1回」の放送作品がバラバラになり、本放送とは異なった組み合わせで作品が収録されるわけですので、当然ながら、各回スタッフのクレジットがあるエンディングを、本放送と同じ状態で収録するわけにはいきません。今回は、そのような「本放送とは異なる主題歌映像」をご紹介しましょう。

アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_13223676.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_13224840.jpg
画像はエンディング『ぼくたち地球人』のもので、左画像が本放映のエアチェック、右画像はビデオ収録バージョンです。
ビデオ版の歌詞テロップは本放送のものと同様ですので、ビデオに収録されているのは完全なノンテロップ版ではなく、「スタッフのテロップ無し/歌詞テロップのみ焼き込みのフィルム+ビデオスーパー」の映像です。


アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_1501928.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_1502838.jpg
こちらはオープニングですが、本放送(左画像)と比べると、ビデオ(右画像)では歌詞テロップも含めてテロップ全体が作り直されています。
このオープニングでは本放送の段階で作者名は既に「藤子・F・不二雄」表記ですので、作者名を修正するためにテロップを入れ直したわけではなさそうですし、テロップをわざわざ作り直して意味があるのか謎です。


ビデオでも本放送と同様のフィルムが使用された例として、日曜版オープニングの例があります。しかしこの場合「原作 藤子不二雄」のテロップにマスクがされ、無理矢理「藤子・F・不二雄」に修正されているため非常に不自然な映像となっています。アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_12421624.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_142916100.jpg
ビデオ『ドラえもんのびっくり大百科』、『―2』など、『ドラ』TV版としては比較的初期発売のビデオに収録されているエンディング『まる顔のうた』は、ドラミ役・よこざわけい子さんの表記が旧表記の「横沢啓子」になっていたり、テロップが焼き込みである点から(日曜版)本放送時の映像かと思いましたが、'80年頃の放送にしては「旭通信社」の表記が「ASATSU」になっていたりと不自然ですので、ビデオ用に作られたものなのでしょう。

…と書いた後に調べてみますと、よこざわさんが名義を変更したのは'95年、ビデオはパッケージの「テレビ放送15周年記念」の触れ込みから発売が'94年頃ですので、ギリギリ「横沢啓子」名義時代の発売。ですので、テロップの「横沢啓子」の表記は何も不思議ではありませんでした…。
ということで、結論としてこのエンディング映像はビデオ用のものです。


いて、ビデオに収録される機会が多い気がする『まる顔のうた』ですが、ビデオの元となったノンテロップのフィルムは1つではなく、何種類か存在しているらしいことが分かりました。
アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_14293446.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_14295046.jpg
画像はどちらも『まる顔のうた』の映像ですが、左画像は「歌詞テロップのみ焼き込みの映像+ビデオスーパー」、右画像は「(歌詞も含めて)ノンテロップの映像+ビデオスーパー」となっており、元にしたフィルム自体が異なるようです。
また、後者では、なぜかラストに「Produced by TV Asahi SHIN-EI ANIMATION」の文字が焼き込まれています。まさか、海外からノンテロップフィルムを取り寄せたのでしょうか…?


更に続いて、『ドラえもん』以外の作品でのテロップ違いの状況をお伝えします。アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_13152985.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_15573390.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_1554651.jpg
パーマン』よりオープニング、左から本放映版、ビデオ版、テレ朝チャンネル再放送版。

画像では見えにくいかもしれませんが、歌詞テロップの字体が本放送版ではゴシック体たのに対し、ビデオ版ではポップ体のようになっています。ビデオ版は'90年からのリリースだそうですので、作者名表記も当然「藤子・F・不二雄」。

テレ朝チャンネル版は、テロップで「音楽 たかしまあきひこ」と表示するところを「菊池俊輔」と誤記したり、エンディングで三重晴三くんの「ハル三」を「ハルミ」と間違うなど、テロップで致命的なミスを犯しているために評判があまり良くありません。現在GyaO!ストア(旧:Yahoo!動画)で配信されている『パーマン』の主題歌もこのバージョンです。

アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_16543272.jpg
本放送版ではオープニングの冒頭に「藤子不二雄劇場」の画面があり、パーマンバッジの音が流れるのですが、ビデオや再放送ではカットされています。これは『藤子不二雄劇場』枠で放送された他作品でも言えます。
第514話以降は『藤子不二雄劇場』からの放映枠移動で『藤子不二雄ワイド』枠に組み込まれることとなりましたので、「藤子不二雄劇場」のタイトル部分はカットされていたと思われますが、資料がないのでこのあたりの詳細は不明です。近年のBS朝日での再放送では、こちらの素材が使用されたそうです。


アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_162377.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_1621351.jpg
怪物くん』からエンディング、左が本放送版、右がテレ朝チャンネル版。

本放送ではテロップは焼き込みでしたが、テレ朝チャンネルの再放送版ではノンテロップ映像+ビデオスーパー。エンディングの映像には歌詞を表示するためのスペースがあるのですが(歌詞表示部分は下絵が帯状に欠けている)、テレ朝チャンネル版では歌詞が表示されないためスペースが無駄になっています。手書きのテロップがいい味を出しているのに残念。



…ということで、非常に長くなりましたが、今回の特集は終了です。
次回以降は、殆ど需要はないと思いますが(笑)モノクロ版『オバケのQ太郎』、『パーマン』、『怪物くん』の調査結果を順次アップしていこうと思いますので長い目で見てやってください…。

豆情報…某動画サイトに『怪物くん』の第5回Bパート『フランケンの映画カントクの巻』('68.5.19放送)が丸々アップされていましたので、ご興味のある方はお早めにどうぞ。アップされた方ありがとう…(!)




番外編:『怪物くん』オープニングの謎

シンエイ版『怪物くん』のオープニングについて以前から気になっていたことがありますので、ついてに書かせていただきます。アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_16191965.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_16195236.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_16201068.jpg
上画像は一般的に「前期オープニング」と知られているものなのですが、某動画サイトにあった本放送最終回に録画したとされる(投稿者・談)オープニング&エンディングを見ると、後期オープニング(巨大な手と戦うもの)ではなく、なぜか前期使用のはずのこちらが使用されていました。

テープに続けて録画されていた(投稿者は当時、アニメのオープニング&エンディングを収集していた模様)エンディングのクレジットには『さようなら怪物くん(前)』と『さようなら怪物くん(後)』とあり、続きに後番組『フクちゃん』の番宣も録画されていましたので、少なくともエンディングに関しては最終回のもので間違いありません。
オープニング中に放送回の手がかりになりそうなものはありませんでしたので、最終回でも前期オープニングが使用されていたのか、あるいは当時、前期オープニングの後に最終回のエンディングを録画してしまったのか…非常に気になっています。

詳細をご存じの方、ご教授ください!アニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_1748443.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_17481733.jpgアニメ『ドラえもん』主題歌映像考_b0134245_17482834.jpg
おまけ:『怪物くん』提供画面、映画『怪物くん デーモンの剣』&『忍者ハットリくん ニンニン忍法絵日記』テレビ放送('82.10.04)予告、番組終了時アイキャッチ
# by fujiko-kei | 2009-11-28 19:15 | 雑記
今朝新聞のTV欄を見ると、こんなものが…。『スッキリ!』で旧『怪物くん』_b0134245_1830696.jpg
当ブログを見られているような皆様にはお分かりの通り(笑)、藤子アニメとペコちゃんと言えば…'65年~'69年に放送された『不二家の時間』枠の藤子アニメ群です(!)

…映像が紹介されているのを期待しつつ、先ほど録画を確認してみました。『スッキリ!』で旧『怪物くん』_b0134245_18401869.jpg『スッキリ!』で旧『怪物くん』_b0134245_1840446.jpg
結果はというと…放送されたのは『怪物くん』エンディングの怪物くん&ペコちゃんの共演部分。
番組の特集の内容はペコちゃんの秘密を追っていくというもので、「ペコちゃん幻映像大公開」とのテロップが出ていました。

『怪物くん』の映像ですが、画面にはVHSテープ特有のスイッチングノイズが見られましたので、ソースは放送用素材ではなく『東京ムービー主題歌大全集』収録の映像と思われます。

TV欄に載るくらいですので、個人的には一連のモノクロ藤子アニメのペコちゃん共演部分(『オバQ』&『デンカ』のペコちゃん共演部分はこれまでに未ソフト化)が流れるのを期待していたのですが、残念ながら現実はそう甘くありませんでした。

未ソフト化の『オバQ』、『デンカ』はともかく、『パーマン』はペコちゃん共演部分が『主題歌大全集』に収録されていますので(ただしエンディングのみ)一緒に紹介されてもよさそうなものですが、藤子プロ側からのNGでもあったのでしょうか…?


◆先月30日に、NHK教育テレビで『ETV特集 こんなこといいな できたらいいな~藤子・F・不二雄の世界~』('96年10月1日放送)が再放送予定と番組表サイトに掲載されていたそうですが、当日までに番組表の記述が変更され、結局放送されたのは瀬戸内寂聴特集でした。
この番組では『オバQ』パイロットフィルムも流れていますので、再放送には期待していたのですが…残念。

◆8月に亡くなられた「あるさん」のサイト『藤子アニメだいすき!』で、『キテレツ大百科ひゃっか』等の一部コンテンツが404エラーになっていました。大変参考になるデータだけに、出来るものなら復旧を望みたいです。Internet Archiveでは閲覧可。
# by fujiko-kei | 2009-11-26 18:43 | 雑記
お久しぶりです。
この時期に更新するなら、F.F.F.全集の第4回配本を取り上げ『ドラえもん』第3巻の『クルパーでんぱ』改変問題について書くのが筋のような気がしますが、ここはAKY(あえて・くうき・よまない)の精神で(笑)、アニメ版『パーマン』を取り上げていこうかと思います。


さて、1967年放送のアニメ版『パーマン』ですが、本作が東京ムービーとスタジオ・ゼロの合作作品であるということは藤子ファン・アニメファンには有名な話です。
しかし再放送やビデオ化の機会に恵まれず、放映リストさえ公式に完全なものは発表されていないのが現状です。
ただえさえ国内での視聴のチャンスが全くないということですが、今回は輸出用のポルトガル語版を元に、東京ムービー制作回とスタジオ・ゼロ制作回の特徴を調べていこうと思います。

本作の制作会社を判断する大きな特徴としてサブタイトル表示画面に着目しました。
まず始めにご説明しますが…『パーマン』のサブタイトル画面は特徴が大きく2つに分けられます。


まずは、サブタイトル表示のテロップが手書きのもの(以下「手書きテロップ回」)。
アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_7534158.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_7553447.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_755571.jpg
手書きテロップの中でも比較的初期のものはレタリングが凝っていますが(左画像)、中盤以降は単なるゴシック体のレタリング(中央・右画像)となっています。

また、『パーマンに手を出すなの巻』、『盗まれたパーマンの巻』、『パーマン基地計画の巻』など…サブタイトルに「パーマン」が含まれている場合は、右画像のように「パーマン」の文字のみロゴマークのレタリングになるという特徴があります。

対して、テロップが手書きではなく、写植を焼き込んだもの(以下「写植テロップ回」)。
アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_7505923.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_7521794.jpg
写植テロップ回は全話に渡って同じフォントを使用。
こちらはサブタイトルに「パーマン」が含まれていてもロゴマークにはなっていません。

この2種類のサブタイトル画面が何を意味しているのかといいますと…。
やはり制作会社の違いによるもの…すなわち、「手書きテロップ回」と「写植テロップ回」のどちらかが東京ムービー制作回、どちらかがスタジオ・ゼロ制作回なのだと推測されます。


■推測1
モノクロ版『パーマン』数十本分を視聴した上で気が付いた特徴としまして、番組のAパートとBパートは必ず同じパターンのテロップ画面が使用されています。

例えば、第4回('67年4月23日放送)の放送内容はAパートが『ロボット騒ぎの巻』、Bパートが『拾ったピストルの巻』なのですが、A・Bパート共に写植テロップを使用。「Aパートが手書きテロップでBパートが写植テロップ」…といった事例は無かったようです。
1回分(=15分×2話)の制作は同じ制作会社で行うのが基本であったと思いますので、AパートとBパートで制作会社が異なることは無いはずです。
…ということはこの点においても、テロップの違いが制作会社の違いであるという説を支持することが出来るのではないでしょうか…?


■推測2
アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_8541715.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_8542948.jpg
藤子ファンサークル『ネオ・ユートピア』会誌22号によりますと、第54回(最終回)『パー子という名の女の子の巻』と『パーマンよいつまでもの巻』はスタジオ・ゼロの制作と確定しています。

この2話にはどちらも写植テロップが使用されていることから、写植テロップ回がスタジオ・ゼロ制作である、という可能性が高いと思われます。


推測3
アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_975622.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_98412.jpg
『パーマン』唯一のビデオソフト化として、LD・ビデオ『東京ムービー アニメ主題歌大全集』第1巻があります。
このビデオには『パーマン』のオープニング&エンディングが収録されていますが、そのエンディング(「制作 東京ムービー」のクレジットから東京ムービー制作回のエンディングと思われます)では手書きテロップが使用されています(左画像)。
一方、最終回(スタジオ・ゼロ制作回)のエンディングのテロップは写植テロップ(右画像)。

アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_1495023.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_92728100.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_9273640.jpg
続いて、東京ムービーと手書きテロップの関係についてのお話になりますが、東京ムービーにて『パーマン』と比較的近い時期に制作された作品(『ビッグX』や『巨人の星』、『珍豪ムチャ兵衛』など)を見てみると、オープニング&エンディングやサブタイトル表示画面には全て手書きのテロップが使用されています(※1)。
東京ムービー作品で写植テロップが初登場したのは恐らく1971年の『ルパン三世』の主題歌と思われ(※2)、それ以前の作品のテロップは(少なくとも主題歌テロップに関しては)全て手書きとなっています。
また、'70年代に入っても東京ムービー作品はサブタイトル画面への手書きテロップ使用の傾向が強い(『天才バカボン』、『ど根性ガエル』など)ことから、それらの作品よりも古い『パーマン』のサブタイトル画面は手書きテロップであった可能性が強まります。

以上の理由から、ここでも「手書きテロップ回=東京ムービー制作」、「写植テロップ版=スタジオ・ゼロ制作」という説が成り立つのではないでしょうか…?

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※1:ただし歌詞テロップに関しては、『パーマン』の時点で既に写植テロップが使用されていた(画像参照)のを確認しています(ただし『主題歌大全集』収録のOPフィルムは画像のものとは別バージョンのため、歌詞テロップは付いていません)。
※2:『アタックNo.1』や『珍豪ムチャ兵衛』←追記:手書きテロップと確認済)あたりのサブタイトル画面は未確認ですので断言は出来ませんが…。


推測4
最後に、作画の面から双方の特徴を調べてみましょう。
アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_8351454.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_8352363.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_155623.jpg
『パーマン』の前番組『オバケのQ太郎』(こちらは東京ムービー単体での制作)の映像を見ると、特に正ちゃんの顔に独特の作画のクセがあることが分かります(左画像)。
当時の東京ムービーの作画能力も関係しているのかも知れませんが、この独特の「顔のクセ」が、『パーマン』のミツ夫にもたびたび見られることがありました(中央・右画像)。この作画の特徴は(当方で確認した40数話分の中では)「手書きテロップ回」で顕著に見られました。
このことからも「手書きテロップ回=東京ムービー制作回」という可能性が成り立ちます。

アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_1561547.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_1585277.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_159037.jpg
逆に「写植テロップ回」全体の作画の特徴としては、「目(特に黒目)が妙にデカい」(左画像)、「ずんぐりした顔」(中央画像のミツ夫)、「ニコニコしているパーマンの目が特徴的」(右画像)といった点が挙げられます。

アニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_15351978.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_15392120.jpgアニメ『パーマン』大研究(1) ~制作会社を分けろ!~_b0134245_15353553.jpg
この点において、スタジオ・ゼロ制作回と確定している最終回『パー子という名の女の子の巻』、『パーマンよいつまでもの巻』では、「ギョロ目」(左画像)、「すんぐり顔」(中央画像)、「パーマンの特徴的な目」(右画像/画像ではパー子)の3要素が全て揃います。
すなわち、こちらも「写植テロップ回=スタジオ・ゼロ制作回」可能性が成り立ちました。

以上の推測により、『パーマン』において手書きテロップ回の作品は東京ムービーの制作、写植テロップ回の作品はスタジオ・ゼロの制作である可能性が非常に高い…ということが考えられるのですが、如何でしょうか…?

ただ、気になる点として、サブタイトル文字の違いで制作会社を判断すると、放送順が東京ムービー制作分とスタジオ・ゼロ制作分が完全に交互にならないことが挙げられます(例:第20回と第21回はいずれも写植テロップ→スタジオ・ゼロ制作?)。『Neo Utopia 41』曰く、次作『怪物くん』は完全に毎回交互に放送されていた(らしい)ということですが、それとは対照的です。


最後に、現在判明している分の各回のテロップを掲載しておきます。ご参考までにどうぞ。
詳しい放送内容は『1967年のパーマン』様のリストをご覧ください。
手書きテロップ回(東京ムービー制作?)
第3回、第19回、第22回、第25回、第28回、第29回、第32回、第35回、第47回、第50回

写植テロップ回(スタジオ・ゼロ制作?)
第4回、第7回、第14回、第15回、第20回、第21回、第23回、第27回、第30回、第36回、第40回、第45回、第53回、第54回

次回は旧アニメ版『パーマン』の登場人物を深く掘り下げていこうと思います。未定
ではまた。
# by fujiko-kei | 2009-11-01 08:43 | 雑記