旧『怪物くん』パイロットフィルムの謎を追え!
2008年 12月 24日
この制作に先駆けてパイロットフィルムが制作されているのですが、現在は所在不明の幻の映像となっているらしく、カラー製作であったことや、内容に関してもあまり知られていません。
『新オバケのQ太郎』以前の藤子アニメは基本的に全てモノクロ製作ですので、カラー映像は大変珍しいものです。恐らくこのパイロット版『怪物くん』と、映画『喜劇 駅前漫画』('66・東宝)のアニメパートに出てくるオバQの映像だけではないでしょうか。
『オバQ』のパイロット版はモノクロ。『パーマン』パイロット版もモノクロ製作だといわれています。
そんな幻のパイロットフィルムですが、モノクロ版アニメ放送開始の直前に発売された『週刊少年キング』1968年18号の巻頭で、このフィルムのものらしい映像やストーリーが紹介されていました。
今回、該当記事を入手することができましたのでご紹介します。
特集名は『怪物くん 誌上試写会』。


サブタイトルは『怪物ランドは大騒動の巻』だそうです。
『少年キング』で取り上げられていたのはこの1話のみですが、他のエピソードも制作されていたかどうかは不明。
以下、記事を追っていきましょう。
怪物くん誌上試写会 怪物ランドは大騒動の巻…ということで、かなり断片的でありますが、『少年キング』で紹介されていたものはこれだけでした。記事を見る限り、怪物くんの怪物ランドへの里帰りを中心に描いた内容だったようで、原作『お正月は怪物ランドで』(F.F.ランド/F.F.A.ランド21巻収録)でしょうか…?
怪物くんが生まれた『怪物城』は、岩山の頂上にある。
執事から、ヒロシくんも怪物にならなきゃだめといわれ…。
ヒロシくんには、牛のお化けのお面をかぶせた。
『怪物大王』に会った怪物くんは、すっかり感げき。
だが、おとうさんの『怪物大王』がいたずらして、ヒロシくんを石にしてしまったので、怪物くんは、かんかんにおこってしまった。
「うわあっ!おとうさんのばかあーっ!ヒロシくんをはやく人間にもどしてよ!」
怪物くんが、ヒロシくんをつれて、ひさしぶりに生まれ故郷の『怪物ランド』にもどってきた。おとうさんの『怪物大王』をはじめ、怪物たちは大よろこび。ふだんは静かな『怪物城』もきょうばかりは、てんやわんやの大さわぎだ。
怪物たちの見送りをうけ、ふたたび人間世界へ………。
怪物くん超能力を見よ!!
念力ハンド
いくらにげても、手を念力でのばし、ひとつかみ。
ウルトラ変装術
顔をひとなですると、たちまち半漁人だ。
原作『お正月は―』自体を読んだことがないので何とも言えませんが、もし同作が原作となっているなら、シンエイ版映画ではない、幻のアニメ版『怪物ランドへの招待』ということになります。
なお、少し気になった点としましては、『誌上試写会』掲載分にはドラキュラ、フランケン、オオカミ男の「怪物三人組」が登場するシーンが全然なかったということがあります。
パイロット版で出番は無かったのでしょうか…!?そんなことは無いですよね…?

唯一ドラキュラだけは、『誌上試写会』の記事に1枚だけ小さく載っていました。
隈取りが太いせいで目つきがちょっと悪いくなっている気がします…(笑)
その後、『誌上試写会』掲載号から前後数週間分の『少年キング』見てみましたが、パイロット版『怪物くん』に関する情報・写真は殆ど見つかりませんでした。アニメ化に関する情報も「テレビ映画化!」、「4月21日からアニメ放送!」といったアオリ程度。
『少年キング』1968年16号の表紙には、パイロット版とよく似た色使いの絵が載っていましたのでご紹介します。こちらには「怪物三人組」も登場していました。

表紙の隅には「※えは、TBSテレビ系列で放送される『怪物くん』。」と記載。
絵自体を見てみると、通常の漫画の塗り方ではなく「アニメ塗り」されているようですので、こちらはパイロット版の色彩設定を基にしたセル画なのかもしれません。

怪物三人組拡大。
フランケンの顔が『宇宙戦艦ヤマト』のデスラー総統のように青いです…(笑)
以上、『怪物くん』パイロット版ミニ特集でした。
今後、モノクロ版『怪物くん』がメディア化される機会が来るのであれば、このパイロット版の収録も大いに願いたいと思います。
2011.02追記
2010年にまさかのモノクロ版『怪物くん』DVD化が行われましたがパイロット版は収録されず。
(2011.02.15記事修正)









