藤子マンガ『~くん』 その歴史と作品たち
2008年 07月 11日
期末試験終わり、久々のマトモな更新です…。
『怪物くん』、『忍者ハットリくん』、『バケルくん』、『フータくん』…藤子作品でよく見かけるタイトルといば、このような『くん』で終わるタイトルで、特にA作品で多く見かけるような気がします。
今回は、そのような作品をリストに纏めてみました。
リストに含む作品は『UTOPIA 最後の世界大戦』が出版された昭和28年以降の作品で、(そもそもこれ以前には『~くん』のタイトルは殆ど無かったと思います)タイトルが完全に『~くん』となっている作品のみとしています。
『ぞうくんとりすちゃん』のように『くん』で終わっていないもの、また『スーパーさん』、『ゆりかちゃん』のように『さん』、『ちゃん』等で終わるタイトルは含みません。
『鳥人くーん』と『フータくんNOW!』の2作品は『くん』で終わっていませんが、例外としてリストに加えました。
A作品…■ F作品…■
■『どんぐりくん』(1954)
■『ロケットくん(宇宙少年団)』(1956)
■『なきむしむさしくん』(1956・読切)
■『たたないかかしくん』(1956・読切)
■『さんすけくん』(1957・読切)
■『あきれたあきおくん』(1957)
■『わが名はXくん』(1958)
■『ゴリラ五郎くん』(1963)
■『忍者ハットリくん』(1964)
■『フータくん』(1964)
■『怪物くん』(1965)
■『マスクのXくん』(1965)
■『ぼくんちのタコくん』(1966)
■『無名くん』(1971)
■『新・怪物くん』(1972)
■『鳥人くーん』(1972・読切)
■『さすらいくん』(1973)
■『べんきょうまんが パン太くん』(1973)
■『つくるくん』(1974)
■『モッコロくん』(1974)
■『バケルくん』(1974)
■『かわい子くん』(1980・読切)
■『フータくんNOW!』(1982)
■『新バケルくん』(1984)
参考:藤子不二雄GALLERY様
結果は全24作品(A作品…16本、F作品…7本)で安孫子率70%、藤本率30%となりました。
やっぱりA先生の方が多かったですが、全体的に見て作品数が意外と少ない…。
ここで驚きなのは、F先生が70年代まで、『くん』で終わるタイトルの作品を殆ど描いていなかったこと。これは意外でした。
■『~くん』の歴史■
『~くん』の歴史ですが、記念すべき『~くん』初ヒット作品はA先生の『宇宙少年団』。連載途中から路線変更に伴い『宇宙少年団 ロケットくん』→『ロケットくん』にタイトルが変更となりました。
次にヒットしたのは『わが名はXくん』。
講談社火の鳥文庫6『藤子不二雄A 夢と友情のまんが道』より
『幼年クラブ』という雑誌に3回だけ連載された本作ですが、後に『マスクのXくん』として講談社『たのしい四年生』~『たのしい六年生』に3年近くに渡って連載。その後『朝日小学生新聞』にも週イチでの掲載となりました。
『Xくん』の基本設定は、F先生の『パーマン』に受け継がれることになります。
昭和39年には、伝説となった安孫子作品3作『忍者ハットリくん』、『フータくん』(と、『サンスケ(→わかとの)』)の連載が開始。
その人気から『ハットリくん』は二度のTVドラマ化がされ、『フータくん』はソノシート化、またパイロット版アニメも制作されました。
ちなみに3作すべてが後にリメイクされています(『新忍者ハットリくん』、『フータくんNOW!』、『怪人わかとの』)。
60年代以降の作品での、F先生初の『~くん』は、1973年の『べんきょうまんが パン太くん』。
同人誌『Neo Utopia 40』より
本作は、『小学一年生』~『小学二年生』に掲載され、第1回だけがF先生の執筆でした。第2回以降はF先生のネームに、アシスタント・しのだひでお先生や、元・新漫画党の永田竹丸先生など、F先生に関わりのあった人たちが交代でペン入れをしていたという珍しい作品。
その後『モッコロくん』や、有名な『バケルくん』が発表されました。
長くなりましたが、今回はこれで終了です。
では次回。