『パラレル・スペース』にはお蔵入り作品が!?
2008年 08月 13日
藤子SF短編のドラマ化で全6回の放送が予定されていますが、(13日)現在公式サイトに書かれている放送予定の作品は、以下の5話のみとなっています。
■『値ぶみカメラ』(もう1話は『ボノム=底ぬけさん=』になるそうですが、その話は後述)
■『あいつのタイムマシン』
■『かわい子くん』
■『征地球論』
■『ボクラ共和国』
このように不自然に1話だけ、放送内容が未定となっていますが、藤子不二雄MLの情報によれば、ここには元々『気楽に殺ろうよ』が企画されていたそうです。
しかし、ここ最近の秋葉原の連続殺人云々の無差別殺人の増加があってか、「昨今の社会情勢を鑑みる」と、藤子プロからのNGが出たそうで、制作は中止になったそうです。
何かと注目されている『ボノム=底ぬけさん=』は代替作品として選ばれたとのこと。
確かに『気楽に殺ろうよ』は、公然と人を殺すのが認められている描写のある作品ですので、この風潮での映像化はマズいのかもしれません。
それともまさか、「こさえよ、こさえよ…」のシーンが「赤ちゃんポスト」問題にも引っかかった…?
しかし、なぜわざわざ『ボノム』なんでしょうかね?
こんなマイナー作品でなくても、もっとドラマ向けのものはあると思いますが…(これはこれでいいと思いますけど)。
『ボノム=底ぬけさん=』は'70年に『ビッグコミック』に掲載された作品ですが、異色短編集や愛蔵版SF短篇集にも一切収録されず、'00年に『SF短編PERFECT版』が刊行されるまで幻の作品となっていました(ファンクラブ『NEO UTOPIA』の会誌に再録されたことはありましたが)。
でも、これがドラマ化されるとなると、途中から出てくる「ちょっと頭のおかしな人」はどうなるのか…。
「ラッキョーオーデン ラッキョーオーデン。」
■NG作品・ドラマ版『気楽に殺ろうよ』のストーリー
「気楽に殺ろうよ」
<ストーリー>
「今思うと、あのときに何かが起きたと思うのです……」ある精神科の診察室で男が医者にそう話している。男が言うには、ある朝突然目眩がして、そこからがすべてが変に感じるらしい。妻が恥ずかしそうにコソコソと食事を準備したり、ベッドシーンが描かれた絵本を幼い娘が楽しそうに読んでいたり……と食欲と性欲の概念が全く逆になってしまった世界。どうにかその世界観に慣れてきた頃、男はもっとおかしなことに気付いた。なんと、この世界では殺人さえも公然と行われているのだ。政府が人口増加抑制のため、各家庭にはその子供の数によって殺人権を認めているのだという。そんな折、男は会社の同僚が自分を殺そうとしていることしていることを知ってしまうのだった……。
<スタッフ・キャスト>
監督、脚本:関根光才
出演:未定
(『藤子不二雄ML』より引用)
『気楽に殺ろうよ』は最近になってようやく物語の面白さが理解できた作品ですので、企画のお蔵入りは残念です。WOWWOWのようなCS放送局でも、事件の影響を受けてしまうんですね。
一部で人気の『アチタが見える』での、唐突に終わるラスト「あっ、ちがう!!」も、初めて読んだときは何が言いたいのか理解できませんでした…。
あ~コワい…。
ここ数日間更新頻度を上げてきましたが、夏休みも後半に突入し宿題の進行状況が危うくなってきましたので、更新頻度は元に戻します。。
では次回。