藤子コミックスいろいろ ~てんとう虫編 その3~
2008年 09月 01日
暫く中断していましたが、第3回・その他/F先生じゃない作品編を公開いたします。
■『ドラえもん百科』全2巻(作/方倉陽二)
入手難易度★★★☆☆
一定年齢以上のドラファンにはお馴染みの『ドラえもん百科』。
創刊まもない『コロコロコミック』に連載され、コロタン文庫『ドラえもん全百科』シリーズと共に、80年代のドラえもん好きには欠かせない本でした。
「百科」とありますが、一部を除いて、あくまで「公式設定」といえるものではありません。ですが、かつてテレビ朝日で放送されていた帯番組『パオパオチャンネル』内での『ドラえもん博士大賞』のクイズでは、この本からも多数出題されていました。
方倉先生描く、劇画風や少女漫画風のドラもいい味を出しています。。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…100円~400円程度
◆新刊全巻…絶版
◆古書全巻…600円~2000円程度
(備考)
当時の子供達が熱心に読んでいたためか、古書店に出回るのはボロが殆どで、美本はあまり見かけません。また、一応'90年代まで増刷は続いていて、原作者名が「藤子・F・不二雄」のものも存在しています。
単行本化はされていませんが、『怪物くん百科』という作品も、アシスタントのさいとうはるお先生によって『コロコロコミック』に連載されていました。
■『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』全2巻(作/吉田忠)
入手難易度★★★★☆
当時藤子先生のアシスタントだった吉田忠さんが『コロコロコミック』に連載した作品。
タイトルの通り藤子両先生の成長を描く、『まんが道』の対象年齢を少し下げたような感じです。ハムくんはF先生、サラダくんはA先生がモデル。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…500円~900円程度
◆新刊全巻…絶版
◆古書全巻…800円~2500円程度
(備考)
てんコミは全2巻で完結していますが、かなり収録漏れ作品が存在しています。ただし、現在は完全版全2巻が発売されているため全作品を読むことができ、てんコミ版の相場も少し下がっています。
■『ドラえもんの発明教室』全2巻(作/しのだひでお)
入手難易度★★★☆☆
藤子先生の古くからのアシスタント、しのだひでお先生の作品。もともとは学年雑誌に連載されていたもので、「スポーツ」、「勉強」等のテーマに沿って読者から送られてきた珍発明を、漫画にして紹介するというもの。発案者の名前も載ります。
他で例えるなら、『コロコロコミック』の読者コーナー『コロコロバカデミー』(昔であれば『コロコロFC』)のような存在でした。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…100円~250円程度
◆新刊全巻…絶版
◆古書全巻…500円~800円程度
(備考)
『ドラ』本編とは基本的に繋がりはないため、個人的にはあまり面白いとは思いません。
そのためか、古書店(特に漫画専門店)での相場も総じて安め。
■『新キテレツ大百科』全6巻(作/田中道明)
入手難易度★★☆☆☆
『キテレツ』がアニメ化された際に小学館の学年誌と『コロコロコミック』に掲載された作品。
アニメ版に忠実に描かれていますので、「キテレツの漫画」といえばこちらを思いつく方も多いかもしれません。原作で出番が殆ど無かったトンガリや、アニメ版オリジナルキャラクターのブタゴリラの家族なども登場しています。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…150円~250円程度
◆新刊全巻…絶版
◆古書全巻…1200円~2500円程度
(備考)
雑誌掲載時のタイトルは単に『キテレツ大百科』でしたが、単行本化の際に、F先生の原作と区別するために「新」の文字が付きました。主に『コロコロコミック』に掲載されていましたので「てんとう虫コロコロコミックス」ブランド。
なぜかブックオフでやたらとよく見かける本です。
■『ドラえもんゲームコミック ザ☆ドラえもんズ』全6巻(作/田中道明)
入手難易度★★☆☆☆
この作品に関しては、予備知識が全くありませんので、あまり詳細な解説はできません。
m(_ _)m
ザ・ドラえもんズ(ドラドラ7)を主人公に、『コロコロコミック』、学年誌に掲載された作品。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…100円~250円程度
◆新刊全巻…絶版
◆古書全巻…900円~1800円程度
(備考)
特になし。
■『ドラベース ドラえもん超野球外伝』既刊15巻(作/むぎわらしんたろう)
入手難易度★☆☆☆☆
'99年に、『ぼく!ミニドラえもん』と『最新ドラえもんひみつ百科』が終了し、「背表紙」と大長編を除いて『コロコロ』からドラが全く消えた時期が1年程ありました。そんな中、久々に『コロコロ』誌上に登場したドラ作品です。
江戸川ドラーズのクロえもんを主人公に、ネコ型ロボットたちが22世紀で繰り広げる野球漫画で、子供達の支持も集めて現在は連載9年目、『コロコロ』の代表作品でもあります。
相場
◆新刊購入…410円(税込)
◆古書購入…100円~200円程度
◆新刊全巻…410円×既刊15巻=6150円(税込)
◆古書全巻…???
(備考)
本作より、藤子先生の元アシスタント・萩原伸一先生は「むぎわらしんたろう」名義で活動をされています。
元々「てんとう虫コロコロコミックス」として発売されていましたが、'06年から「てんとう虫コロドラゴンコミックス」ブランドが誕生し、当時発売中だったコミックスもそちらに引き継がれましたので、本作も途中の巻以降の新刊、また増刷分はそちらに移行しました。
むぎわら先生は、『コロコロイチバン!』で『つるぜ!カメスケくん』も連載中。
■『ミニドラにおまかせ!』全1巻(作/岡田康則)
入手難易度★☆☆☆☆
最近創刊した雑誌『コロコロイチバン!』に掲載された作品。作画は、ここ数年の『大長編ドラえもん』シリーズを手がけている岡田康則先生です。
内容に関しては、のび太というよりも、どちらかといえばミニドラが毎回問題を起こす…というストーリーで、以前『コロコロコミック』に掲載されていた『ぼく!ミニドラえもん』に似た感じです。
作品の完成度も高く、原作『ドラえもん』には一番近いと思います。
相場
◆新刊購入…410円(税込)
◆古書購入…100円~250円程度
◆新刊全巻…×(全1巻)
◆古書全巻…×(全1巻)
(備考)
最近発売されたばかりの作品のため、「てんとう虫コロコロドラゴンコミックス」ブランドでの発売。
■『ドラえもん』第44.5巻 特別編『ガラパ星から来た男』完全版
入手難易度★★★★★
てんコミドラの中で一番の入手困難さを誇るのが、実はこの本。
『コロコロコミック』'94年9月号の別冊付録なのですが、一応てんコミ装丁で発行されていますのでここに分類します。
中編『ガラパ星から来た男』は元々『小学三年生』、『小学四年生』、『小学五年生』の'94年7月号~9月号に同時掲載された作品なのですが、その3ヶ月分を纏めた形で『コロコロコミック』の付録として「44.5巻」は発行されました。
当時は44巻までの刊行でしたので、一応の「最新刊」でした。巻末には、普通のてんコミと同じく「第44.5巻終わり 第45巻につづく」と表記されているこだわりもあります。
ですが、結局『ガラパ星から来た男』は加筆された上で第45巻に収録。単に作品を読みたいだけでしたら、あまりこの本の意味はありません。。
相場
◆新刊購入…絶版
◆古書購入…3000円~9000円程度
◆新刊全巻…×(全1巻)
◆古書全巻…×(全1巻)
(備考)
専門店以外で入手するのは至難の業。
まんだらけ等の専門店で『ドラ』全巻を買うと、オマケで本書が含まれていたりすることもあります。
■『未収録作品スペシャル ドラえもん』全25巻+別巻『マンガワークブック』これにて『てんとう虫コミックス別コロ版』、『てんとう虫コロコロコミックス』および『てんとう虫コロコロドラゴンコミックス』を含んだ『てんとう虫コミックス』ブランドの刊行作品の解説を終了します。
入手難易度★☆☆☆☆
単体で入手★★★★☆
'04年から隔週刊で1年間、全25巻が発売された雑誌『ぼく、ドラえもん。』。この雑誌の一番の目玉は、ズバリ「毎号付録に(てんコミ)未収録作品がついてくる」ということで、毎号てんコミ風装丁の小冊子が付録に付いていました。
それを読むために管理人は毎月2回、650円という大金を雑誌に投じていたのでした…。
しかし、かつての藤子不二雄ランドと被っている作品が多数あり、挙げ句の果てには『ぼくドラ』刊行後に発売された『ドラえもん+』に大半の作品が収録されてしまい、何のために全号買ったんだか…。このシリーズでしか読めない作品もいくつかはありますので、全くの無駄となったわけではありませんが。
未収録作品の中でも人気の高かった『45年後…』を初めて収録したのも魅力的でした。
相場
◆新刊購入…650円(税込/創刊号のみ500円)
◆古書購入…???
◆新刊全巻…創刊号500円+650円×24号=16100円(税込)
◆古書全巻…???
注:新刊価格は雑誌『ぼく、ドラえもん』としての価格です。
(備考)
付録のみをバラで入手するのはほぼ不可能。『ぼくドラ』全号を新刊/中古で買うしかありません。新刊はまだ在庫が残っているようですが、刊行から約4年経っていますので購入はお早めに。創刊号は発売後すぐに売り切れたため急遽再版がかかりました。本誌は初版と2版で微妙に違います。
刊行中に「第1回」と「最終回」を全て収録するという企画もありましたが、結局没になってしまいました(もしかして原稿紛失?)。
第4回、てんコミスペシャル編に続く。