映画『20世紀少年』のハットリくん
2008年 09月 14日
このブログを見てくださっている方ならお分かりかもしれませんが、「ともだち」という黒幕的キャラクターがいまして、『忍者ハットリくん』のお面を被っています。
その色はというと…見事に青でした。ちょっとガックリ。

■劇場パンフレットより。
『忍者ハットリくん』は、'64年~'68年に雑誌『少年』に掲載された旧作と、'80年代の第2次藤子ブームでリメイクされたものの、大きく二つに分類されます。
ハットリくんの服といえば「青」を思い浮かべられる方も多いかと思われますが、これは'80年代以降の設定で、それ以前は黒い服を着ている設定でした。

白黒原稿ではベタ塗りされているため、旧作/新作どちらにしても黒くなっていますが、当時の『少年』のカラー頁や付録、'68年発行の「サンデーコミックス」版単行本で、黒い服を着ている姿をハッキリと確認することができます。
モノクロ画面のため映像では分かりませんが、特撮版でも黒い服を着ています。
そして『20世紀少年』の主人公・ケンヂや「ともだち」が少年時代・'60年代~'70年代にリアルタイムで接した『ハットリくん』は、『少年』掲載の旧作漫画、もしくは特撮版であるはず。当然、服の色も黒のはずです。
そのため、現代のシーンはともかく、主人公・ケンヂの少年時代のシーン('70年ごろ)にも「青いハットリ」のお面を着けた人物が登場しているのは、少し違和感がありました。。
「ハットリくんのお面」は比較的重要な小道具でしたので、ここのところは残念でした。

ちなみに『20世紀少年』原作ではこんな感じ。
トーンで表現されているので、こちらでも「青」でしょうか?
もうひとつ、パンフレットに書かれていた『ハットリくん』の解説が、ちょっと謎だった件について。
1964年~68年光文社「少年」にて連載。その後、81年~88年、小学館の雑誌で再開された。作・藤子不二雄。伊賀の忍者の里から東京に出てきたハットリくんが起こす様々な騒動を描く。いつもお面を被っているという設定。服部半蔵の子孫らしい。苦手なものはカエル。口癖は「ニンニン」「…でござる」。人の敬称に「○○氏(うじ)」を使う。67年~68年実写ドラマ化。その時、ハットリくん役はふたりの俳優によるダブルキャストだった。その後、アニメ化もされている。「いつもお面を被っている設定。」
…一体どこから持ってきた情報でしょうか!?
当然ですが、忍者ハットリくんは、いつもお面を被っている設定ではありません!
口を開けて話したり、表情も変化しますし。

もしかして特撮版を見て、そう思ってしまったのでしょうか?(これはお面で演じている)
…と思ったところでWikipediaの『忍者ハットリくん』の記事を見たところ、ちょっと興味深い文章を見つけました。
ハットリくんは原作と同じ「顔のマスク」を被った子役俳優、第一シリーズでは双子の野村光徳と野村好徳が、第二シリーズでは水谷克之と浜路義朗が演じた。声は両作とも熊倉一雄が担当。ここで思ったのですが、もしかするとWikipediaを見た担当者が、「原作と同じ顔、のマスクを被った―」と解釈すべきところを、間違って「原作と同じ、顔のマスクを被った―」と勘違いしてしまったのではないでしょうか?
Wikiの文章も、そんな意味にもとれるような書き方ですし…。
ちなみに、「67年~68年実写ドラマ化」とありますが、確かにその年には実写版第2作が放送されています(『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』。しかしその1年前、1966年にも実写版第1作が放送されているので、この書き方は微妙かと思います。。
ちなみにパンフレットは『20世紀少年年表』として、東京オリンピックや大阪万博もですが、藤子両先生や手塚先生、石森先生、赤塚先生の誕生も紹介。

劇中にはもうひとつお面が登場しますが、こちらは『ナショナルキッド』('60年/東映)。


『七色仮面』と並ぶ、東映の黎明期のTV特撮作品。
ナショナルがスポンサーだったから『ナショナルキッド』…というのは有名な話です。
また、現在『ハンコック』という洋画も公開中なのですが、このストーリーが「やり過ぎで人々に迷惑がられるスーパーヒーロー」と、予告編を見る限り、まるでSF短編『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』のような雰囲気です(違ってたらごめんなさい)。

では次回。